老後の病気が寿命を縮める?

高齢に入り病気を発症し、何もせずに病気を放置するのは危険。 重篤化して寿命を縮める可能性もあります。 1日で治る風邪でも、免疫力が低い高齢者には発熱や嘔吐感を伴うものになりやすく、体に不調が出た時は早めに対処するようにしましょう。 血液や内臓、内分泌機能など体の中は至って健康だという方も、ちょっとしたことで転んで足を骨折したり、筋肉を傷める場合があります。 内蔵機能や骨などすべてに異常がなくても、ある日突然物忘れが激しくなったという人もいます。 このように、病気はいつどこからやってくるか分からない未知なものです。 まずは病気を重篤化させないことが第一ですが、ふだんから自分自身の体の「弱い部分」を把握しておくことも大切です。 自分の両親や祖父母などから伝わる、遺伝的疾患などがあればそこにまず注意しても良いでしょう。 あるいは若い頃に患った病気が再発しないよう注意することもできます。 いずれにしても、ふだんから対策を講じていくことが、病気を長引かせないための方法ではないでしょうか。

老後の病気と家族の理解

老後は誰しも体の機能が衰えていき、加齢による衰えは避けられません。 病気にかかったり、体に不調がみられた時まず病院にかかることを考えなければなりませんが、自分で医療費を賄うことができなければ、配偶者や子供、孫などにお世話を頼むことになります。 稼ぎが十分にあれば、医療費が増えても自分で賄うことができます。 しかし多くの高齢者には収入源がなく、すでに年金や貯蓄で暮らしている人も少なくありませんので、定年を迎えた後は医療費をどのように賄っていくか、家族に病気をきちんと理解してもらえるかが重要です。 医療処置や薬の中には自費になる場合もあります。 それらの支払いを家族に任せるべきなのか、あるいは別の処置に替えてもらうべきか、よく家族とも話し合いをする必要があるでしょう。 医療保険に加入している場合でも、そこから賄える部分は限られています。 家族にお金を出して貰う場合、何にどれだけかかっているかということをよく説明し、理解して貰わなければなりません。

老後の病気と心の病気の関係

若い世代にもうつ病が一般的になりつつある現代社会。 実は高齢者にも「老人性うつ」という病気があり、広く知られるようになってきています。 老人性うつは、脳が年齢とともに衰えてうつ病を発症するものと考えられていますが、実はそれだけが原因ではありません。 高齢者を取り巻く環境は、日々変化しています。 今の高齢者が子供だった頃は、老人は家族と過ごして余生を過ごすスタイルが一般的でした。 ところが今は、子供や孫が高齢者と関わることが少なく、高齢者が一人暮らしを余儀なくされているケースも少なくありません。 子供や孫の顔が見られず、成長を見届ける楽しみが減ったために、うつ病などの心の病気を発症する方もいます。 さらに日本人は、老後の過ごし方を具体的にイメージしている人が少ないとも言われています。 年老いてから「時間ばかり余ってしょうがない」と嘆くのでは、容易に心の病を引き寄せてしまうかもしれません。 早いうちに家族との関わり方を考え、老後にしかできない楽しみや趣味を見つけてみましょう。

老後の病気と嗜好品の関係

老化は、血管の動脈硬化を進行させたり、免疫力を下げる原因のひとつ。 誰もが生きているかぎり老化を避けることはできませんが、ここにタバコやお酒などの嗜好品が習慣化されると、病気を発症する可能性はさらに高くなります。 タバコやお酒は、私たちのすぐ身近なところにある嗜好品です。 コンビニエンスストアやスーパー、自動販売機で手軽に購入できますが、ストレス解消にたしなむ程度であれば問題はありません。 ただし多くの方が、タバコやお酒を「適度に」ではなく「過剰に」「長期的に」続ける傾向にあります。 一日の本数や飲酒量が少なくても、長期的に続ける事によってタバコは肺に、お酒は肝臓にとって悪影響となります。 タバコもお酒も両方好きな人はもちろん、どちらか片方だけ習慣化している人も、動脈硬化や生活習慣病など、体内の循環機能を低下させるリスクを認識しましょう。 若い頃は何ともなくても、老後に結果として表れてからでは「時すでに遅し」の場合もあるのです。

老後の病気にかかるお金

老後にかかるお金といえば「介護費」がまず思い浮かぶと思います。 しかし老齢に入ると、誰もが何かの病気を発症する可能性が高くなります。 死ぬまで健康をキープし、老衰で自然に亡くなる人というのは限られており、ほとんどが遺伝的要素や持病、若い頃からの食生活や日常生活が原因で、疾患やトラブルを抱えるようになると言われています。 病気を発症すれば、病院にかかって治療を受け、薬を処方してもらうための「医療費」がかかります。 人間が一生涯に医療機関に支払う医療費はおよそ2000万円とも言われますが、そのうちの半分以上は70代以降の高齢期に支払うものと考えられています。 つまり、高齢に入ると1000万円程度の医療費は用意しておかなければならないということです。 健康保険が適用されれば3割の負担で済みますが、体に抱える病気が一つ、二つと増えてくるといくつも病院にかからなければなりません。 また、保険のきかない医療処置を受ける場合は全額が自己負担になることにも注意しましょう。

老後の病気にはどんなものがある?

高齢者に多い病気として上位にランクインしているものが、高血圧症や糖尿病、心筋梗塞、心不全などの病気です。 子供から大人まで誰もが一度は聞いたことのある疾患ですが、実は高齢に入ってからこれらの病気を発症するというよりも、中高年期あるいはそれ以前から病気の因子や原因となる生活習慣を持っており、高齢に入る前に発症するケースが多いと言われています。 内蔵機能以外に多い病気は、高齢者に特有の骨粗しょう症や関節リウマチなどの体を支える部分の病気や、気管支ぜんそく、肺炎などの呼吸器系の病気、そして白内障や緑内障などの目の疾病です。 加齢に伴い骨の強度や肺の機能が低下するため、これらの病気を発症する場合があります。 遺伝的要因や生活習慣など、病気を発症する理由は人それぞれです。 病気になってしまったら治療をしなければなりませんが、加齢によるきわめて自然な病気もあります。 「今まで病気知らずだったのに…」と落ち込みすぎず、年齢による自然な変化とポジティブに捉えることもできます。

老後の病気に打ち勝つために

老後に病気を発症したら、若い頃のように放っておくわけにはいきません。 誰もが地道に治療を続けながら、病気と上手に付き合っていくようになります。 骨でも臓器でも、年をとればだんだんと機能が弱っていきますから、病気を完全に治すには時間もかかります。 しかし病気が長引く原因のひとつには、生活習慣があります。 高血圧の人が血圧を低くする薬を処方して貰い、医師に「塩分を控えるように」と言われたら、生活でも塩分の少ない食事に切り替えなければなりません。 薬を飲み続ける一方で、塩や醤油を食事にたっぷりと使っていては意味がないのです。 高血圧に限らず、糖尿病や高脂血症など他の症状にも同じことが言えます。 薬を飲みながらも、病気がなかなか治らない食生活を送っている高齢者は少なくありません。 「どっちつかず」な状態に陥らないためにも、末長く健康を維持しつつ、薬が必要なくなるまで病気を回復させるためには、医師の指示には素直に従う必要があります。

老後の病気に備えるためにできること

人は生まれてから大人になるまで、体に多くの栄養素を取り込んで骨や筋肉を強化し、健康な体をつくります。 20代がもっとも免疫力が高く、活動的な年代であるとも言われています。 ただしそれ以降は免疫力も活動力もどんどん落ちていき、高齢に入るにつれて体のあちこちに不調が出始めるようになります。 骨や筋肉が元々丈夫な人は、高齢に入ってからも活発に動くことができますが、骨や筋肉はもちろん免疫力も落とさないように心掛けることが大切です。 免疫力とは、人間に本来備わった回復力のことであり、風邪やウイルスが体内に侵入するのを防ぐ役割があります。 免疫力が低下すると風邪にかかりやすくなったり、インフルエンザやノロウイルスなど流行のウイルスにも負けやすい体になってしまいます。 人は死ぬ直前まで食事をしなければなりませんが、食べ物の内容や質が健康を左右します。 老後の病気に備えるには、ふだんから食生活や睡眠を改善して、体内の見えない部分から免疫力をアップさせることが大切です。

老後の病気は早いうちに予防しよう

日本は世界でも有数の長寿大国ですが、誰でも年齢とともに病気を発症する確率は高まっていきます。 特に心臓病、脳卒中、がんの三大死因と、認知症などの病気にかかる人が圧倒的に多いと言われ、話題となっています。 老後の病気は日常生活で予防をすることが大切。 間食を摂りすぎないように気を付けたり、栄養素が偏りすぎないよう注意し、食べたあとは運動するようにする、ビタミンや繊維質をたっぷりと摂るなど、食生活の改善がもっとも健康に良い影響を与えます。 食生活の改善は、誰でもできる方法です。 小学生のうちから栄養に気を付けた生活を心がけていれば、大人になり社会人となり、老齢に達するまでに病気を寄せ付けにくい体ができあがるでしょう。 心臓病や脳卒中は高血圧や動脈硬化によって発生する病気ですから、それらを食事で予防することで病気を遠ざけることができます。 また脳に良いとされる栄養素を摂ることで、認知症などの疾患を予防することもできるので、好き嫌いの少ない食生活を目指すのも良い方法ではないでしょうか。

老後の病気を予防する方法

生活習慣病は、高齢者はもちろん働き盛りの中高年層、さらには学生や社会人になりたての若者にも発症する病気です。 体質や遺伝の問題もありますが、それ以前に生活習慣病はそれぞれの食生活によって発症率が変化する病気です。 高齢者の患者さんの多くは、甘いものや油ものを定期的に食べていたり、塩辛い味付けが好きな方が少なくありません。 若い頃は代謝が良いので、好きなものをたくさん食べても問題はありませんが、年をとってくると体の代謝効率はどんどん下がっていきます。 つまり、昔と同じ食生活を続けていると、生活習慣病を発症する確率もアップするということです。 ほとんどの人が老後には無収入になりますが、収入源がない状態から病気になると、医療費だけでも相当な額が出ていってしまいます。 体が衰えてくると、若い頃と同じように暮らすのは難しいですし、年をとればとるほど健康的に過ごさなければなりません。 日ごろから食べ物の糖分や塩分に注意し、質の良い食事を摂るように心がけましょう。